「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。-The Conjuring: The Devil Made Me Do It」(2021)考察&レビュー
こんにちは!aoringo(@horror_apt)です。
2021年6月に全米公開、そして日本では秋に公開された本作。まだ観てないので現在わかってる情報のみ記載しております。
けっこう前に観ていたのに、やっとこさレビューします。
大人気シリーズ3作目、今回も実在した心霊研究科ウォーレン夫妻の携わった実際の事件を題材にした本格オカルト・エクソシストホラーでありながら、前代未聞の”悪魔の存在証明”に挑戦した裁判の様子も再現。さらには3作目にして、やっとエド&ロレイン夫妻の若かりし頃の出会いや絆を描く側面も描かれています!
「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」について
こちらは大人気「死霊館」シリーズの3作目になります。「死霊館」シリーズはスピンオフ作品や、関連作品を含めるともっとありますが、本筋は2013年公開「死霊館」、2016年公開「死霊館 エンフィールド事件」そして、本作となります。主演は、変わらずウォーレン夫妻を演じる、ヴェラ・ファーミガ&パトリック・ウィルソンです。
ヴェラのIGに二人おそろいのコメントムービーがあったのでシェア。大好きなシリーズだから、二人の笑顔を見るとほっこりします(^^)/
死霊館シリーズやアナベル、死霊館のシスターなど「死霊館ユニバース」の関連作品の関係性や時系列についてまとめています。
ジェームズ・ワンが一線を退いた…死霊館…?
「死霊館ユニバース(シリーズ)」を生み出したジェームズ・ワン監督。わたしの推しでもあるジェームズ(その情報、要る?)は最近お忙しい。
ソウ、インシディアス、そして死霊館…と出すホラー映画全部を大ヒット作にし、次は畑違いと思われる本格アクション「ワイルドスピード」でも評価され、さらに実力をつけて挑んだのがヒーローもの「アクアマン」。たくさんの作品製作に携わり、ついに満を持してアップグレードしたホラー映画を撮る!と「マリグナント 狂暴な悪夢」に全力で挑んでいた。
そう、「死霊館」やってる暇なんかないんや…
そんなわけで、これまで監督を務めてきたシリーズの新作はマイケル・チャベスがそのバトンを受け取ることに。彼は「死霊館シリーズ」関連作品である「ラ・ヨローナ~泣く女~」の監督も務めていました。とはいえジェームズ・ワンも製作にはしっかり携わっておりインタビューでも予告トレーラーでも「ソウの!インシディアスの!ジェームズワンの!」って、マイケルどこにもおらんやん。笑)監督と製作の仕事の違いって何なん?素人なんでいまいちわからないですが。
色々なレビューでも、やはり「これまでと違ってちょっと物足りないよね」みたいなファンの方々の声も少なくなかった。たしかに、たしかにー、「死霊館」はわたしの人生ベストムービーにいれてるくらいすごい映画だなと思ったし、エンフィールド事件も子供が見ても大丈夫レベルでグロくもなんともないのに、めっちゃくそ怖いしよくできていた。そこから比較してしまうと、どうしてもそういう感想になってしまうのは分からなくもないかも…(‘_’)
今回も、実話ベース。
『死霊館シリーズ』とは、超常現象研究科のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が遭遇した実際の事件を題材にした作品のシリーズです。脚本は、ジェームズ・ワンとデヴィッド・レスリー・ジョンソンが共同で執筆したようです。製作前のジェームズの発言で、死霊館の次回作はもしかしたら、クラシックな『アメリカ狼男 in London』スタイルのようにできるかもしれない、といったことを言ってたのと、シリーズ関連作である「アナベル 死霊博物館」の中で狼男が登場したこともあり、私はてっきり「狼男」がキーワードと思っていたけれど…全然ちがいましたね( ̄▽ ̄;)
とはいえ、今回も実際にあった事件を基にして脚本がつくられています。では、その事件とはどういうものだったのでしょう?
コネチカットの悪魔
1981年、アメリカのコネチカット州ブルックフィールドで、アルネ・シャイアン・ジョンソンは家主のアラン・ボノを殺害したとして過失致死罪で有罪判決を受けました。しかし、それは悪魔の憑依によりもので、本人の意思とは全く関係ないと、無罪を主張し、家族と弁護側はその証明をしようとしました。
そもそもは映画でも描かれているように、事件の1年前、グラッツェル家の11歳になる息子デヴィッドに関する奇妙な出来事があまりに続いていたことに始まります。家族は恐ろしい現象に疲労困憊し、悪魔が宿っているのではないかと推察した結果、テレビで見たウォーレン夫妻に助けを求めました。その後、家族とウォーレン夫妻は、複数の司祭・教会に対して正式な悪魔祓いを行うように請願、何度かのプロセスを経るなかで、悪魔が子供の体から逃げ出しアルネに住み着いたと、儀式の出席者たちは結論づけました。
アルネ・シャイアン・ジョンソンは、グラッツェル家の娘デビ―とお付き合いしてて彼女の家族と同居してたんですって。
1980年10月には、ウォーレン夫妻がブルックフィールド警察へ「状況が危険になりつつある」と連絡をしています。
殺人事件が起きる
コネチカット州南西部のある地域は、ローマカトリック教徒が多く裕福な地域。アルネとデビーは、デヴィッドのことが落ち着いたので、実家を出てこの地に引っ越しすことにしました。新しい土地で、デビーは被害者のアラン・ボノが経営するケンネル(犬のペットホテルのようなもの?)で働きだしたのです。また、当時19歳だったアルネもこの地域で樹木医として働いていました。しかし、引っ越し後から、アルネが、かつてのデヴィッドのような奇妙な行動(唸り声をあげたり幻覚を見たりなど)をするようになったと、デビーが証言しています。しかし、アルネ本人はそういった自分の行動を全く覚えていないということでした。
ある日、口論から発展し、アルネは折りたたみ式の5インチ刃ナイフでアラン・ボノ氏を刺殺しました。凶器は現場で見つかっています。事件の目撃者は、アルネのガールフレンドであるデビーのみでした。
そのままアルネは第一級殺人の罪で起訴されましたが、ガールフレンドや家族、そしてウォーレン夫妻らによって、この殺人は悪魔によるものであると主張されました。
アルネ・シャイアン・ジョンソンの裁判
この裁判は、1981年10月28日からダンベリーのコネチカット高等裁判所で行われることとなり、オカルト分野に関心がある世界中の人たちが大きく注目されるだけでなく、「悪魔の存在証明し無罪を主張する」という前代未聞の裁判ケースとなりました。
裁判では、事件の1年前に、グラッツェル家の息子デヴィッドに対する悪魔祓い中にずっと記録されていたカラー写真や音声テープも公開されました。4人のカトリック神父、ウォーレン夫妻、グラッツェル家の人々、そしてアルネ当時彼がどのような状態であったか詳しく説明されることとなりました。すべては、悪魔の存在を証明するために。母親によると、デヴィッドは儀式中に蹴ったり、噛んだり、唾を吐いたり、ひどい言葉を吐いたりするだけでなく、見えない手で首を絞められたり、それを引きはがそうとしたり、強い力でボロ人形のように頭からつま先まで急激に引っ張られたりもしたそうです。ポッチャリ体型だったデヴィッドには腹筋もたいしてなく、考えられないような動きや体勢をしたといいます。
映画でも悪魔祓いの様子は迫力があって怖かったですねぇ…
さまざまな証言や証拠が提出されましたが、けっきょくのところ悪魔の存在証明は認められず、アルネは有罪判決を受けることとなりました。しかし、10年~20年の刑期のうち、実際の服役期間は5年程度だったということです。
ヴェラとパトリックの演技力と安定感
本作は、死霊館ユニバースのファンたちから、これまでよりも脚本が弱いと批判されるなか、主演2人の演技には高い評価があったようです。さすが(^^)/パトリック・ウィルソンは、アクアマンでまさかの悪役王子を演じていて、イメージが違い過ぎるのに、それはそれでめっちゃかっこよくって♡そのあとにこっち観たときは、「ああ、これが私の知ってるパトリック!」と嬉しくなりました。笑)そんな二人のオフショットもめちゃほっこりしちゃう。
そして、本作はこれまでストーリーの中心にいながらにしてその人物像にスポットが当たり切ってこなかったウォーレン夫妻、エドとロレインの過去についても掘り下げていましたね。二人の出会い、若かりし頃の恋愛の様子など、ファンからするととっても嬉しい内容でした(^^)そんな二人の絆をしっかりと描くことで、より過去2作をまた違った視点でもあらためて楽しめるほか、本作の展開にも観客の感情がよりよせられたことだと思います。
各地でおこったオカルト現象をウォーレン夫妻が解決していく、という単純なプロットでもおもしろいけど、毎回それではシリーズ展開としてあまりに単調になってしまうので飽きがくる可能性は高いですしね、このへんでいっちょ、二人のパーソナルをぐっと掘っていこう!って感じだったのかな?しらんけど(関西人)
期待の新人?ルアイリ・オコナー
そして、本作の重要な人物「アルネ・シャイアン・ジョンソン」を演じたルアイリ・オコナー。
スレンダーなイケメンくん、若手ながら悪魔につかれる心優しき青年という複雑なキャラクターをしっかり演じてましたねえ。
あら可愛い。
1991年生まれのアイルランドの俳優さんだそうですよ~
オコナーは3人の妹、メラニー、エラ、ニコラが生まれるまで、アイルランドのダブリン州ハウズで育ち、その後、家族で彼が14歳の時に田舎に引っ越し、種馬農場で暮らすようになったそうです。 2015年にトリニティ・カレッジ・ダブリンのThe Lir Academyで演技の学士号を取得し卒業。
レニー・アブラハムソン監督の映画『What Richard Did』でデビュー。この作品は残念ながら日本では未公開・未発売となっています。が、この作品、俺たちのマッツ・ミケルセンのお兄ちゃん、ラース・ミケルセンが出てるっていうじゃないですかっ。
え、マッツ様お兄ちゃんいるん。
え…(調べてる)…
え…
めちゃくちゃかっこいいやんかっ(*ノωノ)
…スミマセン話それました。
で、ルアイリ・オコナーくんの他の出演作は?って調べてみたら、フィルマとWikiで情報が違ってたんで以下にまとめておきますね。(2022.5.20時点)
- ルアイリ・オコナー出演の映画(クリック)
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- What Richard Did(2012)日本未公開:Niall役
- ぼくたちのチーム(2016):ウィズル役
- 短編映画Aquilo(2017)日本未公開:Noah役
- ティーンスピリット(2018):ケイヤン・スピアーズ役
- The Postcard Killings(2020):Simon Haysmith/Mac Randolph役
- 死霊館~悪魔のせいなら、無罪~(2021):アルネ・シャイアン・ジョンソン役
- ルアイリ・オコナー出演のドラマ
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- Tinderface(2015)日本未公開
- Can’t Cope, Won’t Cope(2016)日本未公開
- My Mother and Other Strangers(2016)日本未公開
- Delicious(2016~2018)
- The Spanish Princess(2019~2020)
- ザ・モーニングショー(2021)
「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」概要
予告トレーラー
1980年、ウォーレン夫妻はグラツェル家の依頼を受け、11歳のデヴィッド・グラツェルを調査することになった。一家はデヴィッドに悪魔が取り憑いていると信じ切っており、その恐怖からすっかり疲弊していたのである。調査の結果、ウォーレン夫妻は一家の主張が真実であると判断し、カトリックの司祭たちと共にデヴィッドの悪魔祓いを行うことにした。数日間にも及ぶ儀式が終わった後、デヴィッドの異変はようやく収まった。
それから数ヶ月後、グラツェル家の近所で殺人事件が発生した。アルネ・シャイアン・ジョンソンが家主のアラン・ボノを殺害したのである。裁判の場で、ジョンソンは「デヴィッドに取り憑いていた悪魔が今度は私に取り憑いた。アランを殺したとき、私は悪魔に操られていた。だから、当時の私に責任能力はなく、無罪判決が妥当だ」と主張した。
スタッフ
キャスト
- ヴェラ・ファーミガ(ロレイン・ウォーレン)
- ミーガン・アシュリー・ブラウン(若い頃のロレイン・ウォーレン)
- パトリック・ウィルソン (エド・ウォーレン)
- ミッチェル・フーグ(若い頃のエド・ウォーレン)
- スターリング・ジェリンズ(ジュディ・ウォーレン)
- ルアイリ・オコナー(アルネ・シャイアン・ジョンソン)
- サラ・キャサリン・フック(デビー・グラツェル)
- シャーリーン・アモイア(ジュディ・グラツェル)
- ジュリアン・ヒリアード(デヴィッド・グラツェル)
- ロニー・ジーン・ブレヴィンス(アラン・ボノ)
- シャノン・クック(ドリュー・トーマス)
最後に
「死霊館」シリーズは、第4弾の撮影が進んでいます!
次回もこれまで同様、ウォーレン夫妻のかかわった実際の怪奇事件が基となっているそうです。「死霊館4(タイトル未定)」の最新情報はこちらで随時お知らせしています。