『28週後…』(2007)考察&レビュー:28日後..の続編、パンデミック後の世界を描く。

走るゾンビの金字塔「28日後…」の続編。パンデミックが去った後のロンドンは、アメリカ軍の管理下において復興に向かって動き出していた。しかし、ふとした気の緩みからそこは新たな戦場と化していくのだった。
『28週後…』について
『28週後…』は、フアン・カルロス・フレスナディロ監督による2007年公開のイギリスのホラー映画。2002年に公開された映画『28日後…』の続編にあたります。
致命的なウイルスによって人口のほとんどが絶滅した6ヶ月後のロンドンを舞台に、生存者たちが生活を再建しようとする様子を描いています。
ちなみに映画の中では「感染者」であってゾンビと定義されてるわけじゃないですが、当研究所では「不特定多数へ体液感染し、発症すると我を忘れて狂暴化する」のはだいたいゾンビってことにしてるので、ゾンビカテゴリーにいれています。
(このことについては、後述します。)
前作「28日後…」は、走るゾンビの金字塔として知られています。
そもそもは、「新感染ファイナル・エクスプレス」の高速ゾンビを見て「早すぎて草」と喜んでいた私でしたが、後から「28日後…」のことを知り鑑賞。確かに早い!めっちゃ走る。
さらに監督はおしゃれ映画「トレインスポッティング」のダニー・ボイル。人間の凶暴性も描かれていながら、最近よくあるディストピア化したあとの複雑なストーリーや登場人物の描写もなく徹底的にシンプルで、映画がテーマとしてるものの輪郭が伝わって来やすかったようにおもう、ホラーながらおしゃれな雰囲気の映画でした。
その続編なので期待していたものの、監督も変わってるので雰囲気は全く違いました。どっちかというと完全に前作よりパニックホラー感が強いように感じました。
物語は、米軍によって管理されているロンドンの復興から始まります。危険地帯から完全に隔離され守られているセーフティータウンに、救い出された人々が次々にやってきます。
ただし、感染してるかしてないかは厳しくチェック。ちょっとでも怪しいと子どもだろうが女だろうが容赦なく追い出される、もしくは殺されてしまう終末感もまだまだ色濃く残る世界。
ハリス家の子どもたちは、やっとここで父親と再会できることに。しかし、そこには母アリスの姿はありませんでした。子どもたちから不在を突っ込まれたパパ、「いろいろあってん、大変やってん」と申し訳なさそうに答えるばかり。
そのため、子どもたちが避難したあと、母アリスは感染しゾンビ化しちゃったものと思われました。しかし、実は…!!!!
ここから先はネタバレのほうに預けるとして…
ゾンビの定義
本作に出てくる”感染者”はゾンビなのか?論争がある。
ゾンビの定義って何?
分からんくはないけど蘊蓄だるいよね。
でもホラー研究所と銘打ってるからには明瞭とさせておく必要があるでしょう。当ブログのホラー用語集には以下のように記しております。
何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である。多くはホラーやファンタジー作品などに登場し、「腐った死体が歩き回る」という描写が多くなされる架空の存在である。
これはWikipediaの説明をまんま引用しただけですが、要するに原則ゾンビは一度死んでいることが条件のようにかかれてます。なので、新感染ファイナルエクスプレスや28日後、本作のような「感染してパンプアップしてるけど死んでない」場合は、厳密にはゾンビにはあたらないのかもしれません。
ただし、当ブログではさきほども述べたように「不特定多数へ体液感染し、発症すると我を忘れて狂暴化する」のも全部ゾンビにしちゃってます。
Wikipediaでも、
近年の創作では、呪術や魔法的な手法に代わり、科学実験や特殊なウイルス感染、あるいは寄生虫によりゾンビ化するという設定が多く使われる。これらの作品には、パンデミックという形で被害が拡大するパニック物の様相を呈するものも多い。
引用:Wikipedia
と明記されてるので、当研究所の定義もあながち間違いではなさそうです。
さて、物語は続きます。
母アリスの不在を悲しむハリス家の子どもたち。
せめて写真だけでも、と安全地帯を離れて自宅に戻ってみるとそこには生きている母の姿が。「おとん!おかん生きてるやんけ!!!怒」
安全圏に戻り検査を受ける母アリス。彼女は完全に感染しているものと思われましたが、不思議と発症していません。無症候性キャリアと認定され、この発見はワクチンの開発におおいに期待できることから、感染しているとはいえ隔離され生かされることになりました。
しかし、妻を置き去りにしたことで自責の念にかられるドン。妻のところにやってきて、(なぜか余裕で侵入することができてしまい)ごめんねのキスをしたところで見事感染。
ドンはその場ですぐに発症して、妻を殺してしまいます。全然頼りにならないどころかイライラさせまくりのドンに突っ込んだ人は多かっただろう。しかし、そんな憎まれっ子ドンはなんとか感染したまま生き延びて隔離施設を抜け出し、知らず知らずのうちに再びウイルスを蔓延させてしまいます。
どこまでいっても自分勝手なドンにイライラマックス!!!
最後の最後まで迷惑かけまくりのお父ちゃん。そんなパパを反面教師と知ってか知らずか、子どもたちはなんとしっかりしてることか。
安全地帯内においてパンデミックが発生したことにより、アメリカ軍は施設内の人間を感染・非感染、また老若男女に関わらず”駆除”することを命じます。
しかし、感染していない子どもまで対象にしたこの指示は一部の隊員の反発を招くことに。ドイル軍曹は、軍隊の仕事を放棄し、感染していない人々を救う決心をします。(いい人、フラグたってるから見るの辛かった)
そういう経緯があり、この物語は、最終的にゾンビに襲われるだけでなく軍隊からも追われる身となる登場人物たちの姿を描いています。
最終的に、パンデミックは国境を越えてパリにまで及んでいるシーンで終わります。つまりバッドエンドでした。
『28週後…』概要
予告トレーラー
- 製作国:アメリカ
- 製作年:2007
スタッフ
- 監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ
- 脚本:フアン・カルロス・フレスナディージョ、ローワン・ジョフィ、ヘスス・オルモ、エンリケ・ロペス・ラビニュ
- 製作:アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ、エンリケ・ロペス・ラビニュ
メイン出演俳優
その他の出演俳優
- イモージェン・プーツ(タミー・ハリス役)
- マッキントッシュ・マグルトン(アンディ・ハリス役)
- キャサリン・マコーマック(アリス・ハリス役)
- イドリス・エルバ(ストーン准将役)
- ハロルド・ペリノー・ジュニア(フリン役)
まとめ
今回は、ゾンビ・パンデミック後の世界を描いた『28週後…』についてレビューしました。最終的に子どもだけが生き残るなんて都合よすぎる、ドイルさんくらい生きててくれないと!って思いますが、そこはファンタジー要素ということで受け止めるしかないのかもしれません。あんまりリアリティーありすぎても落ち込んじゃいますしね。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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