サターン・最優秀ホラー映画賞【2000年代の全ノミネート&受賞歴リスト】

こんにちは、Aoringoです。
この記事では、優秀だったホラー作品に贈られる【サターン最優秀ホラー映画賞】の2000年から2009年までの受賞結果をまとめています。
サターン賞とは?
サターン賞(Saturn Awards)は、ファンタジー、ホラー、およびSFの映画やテレビ番組に焦点を当てたアメリカの映画アワード。1973年に設立され、会員の投票によって受賞が決定。会員には、スティーブン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロンをはじめ、名だたる監督やテレビ人が名を連ねています。

第27回(2000)

受賞&ノミネート作品 |
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ファイナル・デスティネーション |
ドラキュリア |
ギフト |
レクイエム・フォー・ドリーム |
ルール2 |
ホワット・ライズ・ビニース |
第27回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ジェームズ・ウォン監督の『ファイナル・デスティネーション』(原題:Final Destination)でした。
ジェームズ・ウォンはドラマ『X-ファイル』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』など有名な作品を多く手掛ける人気脚本家で、本作は彼の長編映画デビュー作です。
修学旅行でフランスへ向かう高校生たち。しかし、そのうちの一人アレックス(デヴォン・サワ)は登場した旅客機が爆発する夢を見て、数人の仲間と共に離陸直前に機から逃げ出します。そして夢は現実のものとなってしまい、命拾いをした者たちが、次々と不可解な死を遂げていく、という物語です。
死の運命から逃れらない残酷さと、創意工夫に富んだ様々な”死に方”が話題となり、後にシリーズ化されていくことになりました。

第28回(2001)

受賞&ノミネート作品 |
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アザーズ |
デビルズ・バックボーン |
フロム・ヘル |
ハンニバル |
ジーパーズ・クリーパーズ |
13ゴースト |
第28回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ニコール・キッドマン主演、アレハンドロ・アメナーバル監督のオカルトホラー映画『アザーズ』(原題:The Others)でした。監督は、脚本と音楽も手掛けています。
第二次世界大戦後、光過敏症の子ども2人と暮らすグレース(ニコール・キッドマン)は、広い屋敷の中で常に暗闇の中で過ごす必要がありました。ある日、新たに3人の使用人を雇いますが、娘のアンが幽霊が見えると主張するようになり、霊的なものを拒否していたグレースでしたが、次第に奇妙な出来事に襲われていくという物語りです。
『アザーズ』は、じわじわと高まる緊張感、特にニコール・キッドマンの強烈な演技、そして巧妙なひねりのあるプロットが賞賛され商業的にも成功しました。

第29回(2002)

受賞&ノミネート作品 |
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ザ・リング |
ブレイド2 |
スパイダー パニック! |
フレイルティー/妄執 |
クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア |
バイオハザード |
第29回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、1998年にJapaneseホラーの火付け役となった貞子で有名なホラー映画『リング』のハリウッド・リメイク版で、ゴア・ヴァービンスキーが監督した『ザ・リング』(原題:The Ring)でした。
ジャーナリストのレイチェル(ナオミ・ワッツ)は、姪の奇妙な状況での死亡事故をきっかけに、その原因がある呪いのビデオテープであることを突き止め、呪いとテープについて調査をしていくという物語です。
『ザ・リング』は日本ホラー独特の不気味で暗い雰囲気を継承しながらも、独自の解釈でハリウッド版として進化させ、これまでの欧米ホラーになかった身震いするようなオカルトの恐怖を描き賞賛されました。
ノミネート作品には『ブレイド2』、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の一応続編である『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』と、吸血鬼ものが2つ入っており、根強いヴァンパイア人気を見せつけました。

第30回(2003)

受賞&ノミネート作品 |
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28日後… |
キャビン・フィーバー |
フレディVSジェイソン |
ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2 |
テキサス・チェーンソー |
アンダーワールド |
第30回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ダニー・ボイル監督のモダンなゾンビ映画『28日後…』(原題:28 Days Later…)でした。
この作品は、”走るゾンビの金字塔”とも呼ばれる作品で知られています。ゾンビパンデミックが起こった後の世界を描いており、厳密には作品中で”ゾンビ”と呼ばれることはありませんが、感染し狂暴化するなどの傾向からゾンビ映画に数えられることが多い作品です。
90年代のおしゃれな映画『トレイン・スポッティング』の監督が手がけており、ゾンビ映画でありながらおしゃれでモダンで退廃的な雰囲気がする独特な映画です。ゾンビに襲われる恐怖よりも、社会の崩壊とそれに伴う人間性の本質を描き、続編『28週後…』も作られ、ゾンビブームを再び巻き起こしました。

第31回(2004)

受賞&ノミネート作品 |
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ショーン・オブ・ザ・デッド |
ブレイド3 |
ドーン・オブ・ザ・デッド |
THE JUON/呪怨 |
オープン・ウォーター |
ソウ |
ヴァン・ヘルシング |
第31回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、エドガー・ライト監督のゾンビを題材にしたホラーコメディ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』(原題:Shaun of the Dead)でした。
家電量販店で働くショーン(サイモン・ペッグ)の楽しみは、同居している親友エド(ニック・フロスト)とのゲームとパブ通い。恋人にふられて飲みすぎた翌朝、ショーンが目を覚ますと、なんと街がゾンビであふれ返っており、普段から無気力なショーンが一念発起、愛する恋人と母親を救うため立ち上がる、という物語です。
このゾンビコメディは、伝統的なゾンビ映画にユーモアとイギリス映画らしいブラックジョークを融合させ、ゾンビ映画の神様ジョージ・A・ロメロからも大絶賛されました。(この映画がきっかけで、サイモン・ペッグはロメロの新作『ランド・オブ・ザ・デッド』にゾンビ役として出演することに。)
『ショーン・オブ・ザ・デッド』はカルト的な人気を博し、最高のホラーコメディ映画のひとつとして広く評価されています。
また、ノミネートには日本のホラー映画『呪怨』のハリウッド版『THE JUON/呪怨』が、こちらはオリジナルと同じく清水崇監督がてがけています。

第32回(2005)

受賞&ノミネート作品 |
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エミリー・ローズ |
コンスタンティン |
ランド・オブ・ザ・デッド |
ソウ2 |
スケルトン・キー |
ウルフクリーク 猟奇殺人谷 |
第32回サターン賞最優秀ホラーF映画賞を受賞したのは、『地球が静止する日』や『ブラック・フォン』などで有名なスコット・デリクソン監督の『エミリー・ローズ』(原題:The Exorcism of Emily Rose)でした。この物語は、1976年にドイツで実際に発生したアンネリーゼ・ミシェルの保護責任者遺棄致死事件を題材にしています。
幻覚に襲われて痙攣を引き起こした女子大生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)は、それを悪魔の仕業だと確信し、ムーア神父に助けを請います。しかし悪魔祓いの儀式も虚しくエミリーは無残に絶命。ムーア神父は過失致死罪で起訴され、彼を助けようと弁護士のエリンは動くが…という物語。
オカルトホラーと法定ドラマを融合させることで、悪魔祓いを取り巻く法的・倫理的な問題にフォーカスし、考えさせられる内容の映画として賞賛されました。

第33回(2006)

受賞&ノミネート作品 |
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ディセント |
ファイナル・デッドコースター |
ホステル |
ソウ3 |
スリザー |
スネーク・フライト |
第33回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ニール・マーシャル監督によるイギリスのホラーパニック映画『ディセント』(原題:The Descent)でした。
交通事故で夫とひとり娘を失ったサラを励まそうと、友人たちは女性6人で洞窟冒険をすることを企画。アパラチア山脈のチャトゥーガ国立公園内の洞窟にやってきた彼女たちは探検を始めますが、途中で崩落により出口への通路をふさがれます。そして、暗闇の中で地下環境の恐ろしい生物と遭遇してしまう、という物語。
『ディセント』は、暗闇と狭い空間における恐怖を描いたシチュエーションスリラーとして極度の緊張を生み出しています。その恐怖演出、女性キャスト達の演技が賞賛され高く評価されました。
ノミネート作品に選ばれホラー映画としては有名な『ホステル』や『ソウ3』をおさえての受賞でした。

第34回(2007)

受賞&ノミネート作品 |
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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 |
ゴーストライダー |
グラインドハウス |
ミスト |
30デイズ・ナイト |
1408号室 |
第34回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ティム・バートン監督のミュージカルスリラー映画『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(原題:Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)でした。
舞台は19世紀の英国ロンドン。無実の罪で投獄され妻も娘も奪われた男が、名前と姿を変え、復讐のため殺人理髪師スウィーニー・トッドとしてロンドンのフリート街へ戻ってくるという物語。
1979年に公演されたミュージカルが基となっており、ティム・バートン監督のダークでファンタジーな雰囲気とゴシックな世界観が相まって、独特の雰囲気を持つ映像となっています。さらに、ジョニー・デップとボナム=カーターの強烈で個性的な演技、精巧なミュージカルナンバーも注目され数々のアワードにノミネートと受賞を果たしました。
また、注目すべきは『ミスト』、『1408号室』とスティーヴン・キングが原作の作品がノミネートされているところ。2000年代に入ってもホラーの帝王は君臨しているといったところでしょうか(^^)

第35回(2008)

受賞&ノミネート作品 |
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ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー |
ハプニング |
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 |
REC:レック/ザ・クアランティン |
ダスク・オブ・ザ・デッド |
ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 |
第35回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、ギレルモ・デル・トロ監督の『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(原題:Hellboy II: The Golden Army)でした。2004年の映画『ヘルボーイ』の続編になります。
超常現象捜査防衛局・BPRDのすご腕エージェントとして、超自然的な脅威から世界を守るために人間によって幼少期から育てられた悪魔ヘルボーイ(ロン・パールマン)。
彼の前に闇の世界の王子・ヌアダが現れて、人類を抹殺するため伝説の最強軍団“ゴールデン・アーミー”を復活させようとします。ヘルボーイは、アヌダを止め黙示録を防がなければならない、という物語です。

第36回(2009)

受賞&ノミネート作品 |
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スペル |
運命のボタン |
フローズン |
ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト -鮮血の美学- |
ニュームーン トワイライト・サーガ |
ゾンビランド |
第36回サターン賞最優秀ホラー映画賞を受賞したのは、サム・ライミ監督の『スペル』(原題:Drag Me to Hell)でした。怖い老人が暴走する系ホラーです。
銀行の融資担当のクリスティン(アリソン・ローマン)の下に、老婆ガーナッシュ(ローナ・レイヴァー)がローン支払期間延長の申し出に訪れますが、これ以上延長ができないと断ったところ、老婆の態度は一変。クリスティンに対して敵意をむき出しにし飛び掛かってくる、というお話。
『死霊のはらわた』でおなじみ、サム・ライミ監督らしくホラーとダークコメディをうまく融合させており、また、『スパイダーマン』などしばらく大作ヒーロー映画を手掛けていた彼にとっては、ホラー復帰作ともなりました。
まとめ
いかがだったでしょうか?この記事では、【サターン賞】のうち優秀だったホラー作品に贈られる【最優秀ホラー映画賞】の2000年から2009年までの受賞結果をご紹介しました。
この年代は、伝統的なオカルトホラー、ゾンビ、サスペンス、パニックものなど多種多様な作品が受賞とノミネートされているところがたいへん興味深いです。ドラキュラなどの古典的なホラーにも、新しい解釈が加えられていきました。
また、映像技術の進化もあって恐怖の演出がより高度になってきたのもこの頃であり、インターネットの普及によって人々の求めるものがより細分化されていることが可視化されていった時代でもあったといえます。
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