【大人でも恐い!】人気作家たちが本気で手がける子供向けの怖い絵本たち
子供向けの絵本に「オバケ」はよく出てきますが、その多くはオバケと仲良くなったりする内容で”怖く”はない。
しかし、自分の子ども時代を思い出してみても、私は”怖い”ものじゃないと満足できない子どもでした。ちょっと変わっていたのかもしれませんが、同じような人も少なくはないはずです。
「恐い本なんて子供に悪影響」と考える親御さんもいるかもしれません。でも、私は怖いと感じることは、見えないものを畏怖することによって想像力を鍛えられると思っています。
「こわい」という感情は生物として重要な感情であるとともに、
この記事は、子ども向けだけどちょっと怖い、大人でも楽しめる「こわいえほん」をまとめています。主に妖怪・日本の怪談に関する内容の作品が多めです。
京極夏彦、宮部みゆきなど、当代の人気作家5人が子ども向けの「怖い」絵本に挑戦する画期的な企画「怪談えほん」シリーズ。監修は全て東 雅夫(ヒガシマサオ)氏によるもの。
『悪い本』 -2011年
この世のなかのどこかに存在している悪い本は、あなたにいちばん悪いことをおしえてくれるでしょう。そんな本いらない? でもあなたは悪い本がほしくなります。きっとほしくなります。宮部みゆきと吉田尚令が子どもたちに贈る、この世でいちばん悪い本。(特設サイトより引用)
作・宮部みゆき/絵・吉田尚令
・購入はこちら
『マイマイとナイナイ』 -2011年
マイマイは、小さい小さい弟、ナイナイをみつけた。マイマイは、ナイナイをこわれた自分の右目にいれて、そっと右目をあけてみる。すると、そこには不思議な世界がひろがっていた。皆川博子と宇野亜喜良コンビによる、美しく、怖い物語。(特設サイトより引用)
作・皆川博子/絵・宇野亜喜良
・購入はこちら
『いるの いないの』 -2011年
おばあさんの住む、とても古い家で、ぼくはしばらく暮らすことになった。その家の上の方はとても暗い。暗がりに、だれかがいるような気がしてならない。気になって気になってしかたない。京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」をひきずりだす。(特設サイトより引用)
作・京極夏彦/絵・町田尚子
・購入はこちら
この絵本は「恐い」ですね。大人でも恐いです…。子供の頃、布団に入って眠るとき、電気を消した部屋の隅の暗闇、祖父母の家の2階に続く階段の先が真っ暗で見えない時も…そこに何かがいるのではないか?と、とても恐ろしかったです。
まさに「いるの?いないの?」とビクビクしながらも、その暗闇から目を離せないような子供でした。
この絵本のイラストを描いておられる町田尚子さんは、猫の絵を題材にした絵本に多く携わっておられるほか、この後に紹介する京極夏彦さんとのコラボ絵本にも度々参加されています。美しくて可愛いのに、どこか怪しいような、気味悪いような…不思議な魅力のある絵が素晴らしいです。
『ゆうれいのまち』 -2011年
真夜中に友だちがやってきて、あそびに行こうと誘われた。一緒に家を抜け出し、森を抜けると、丘の向こうに「ゆうれいのまち」がひろがっていた。そっとのぞくと、ゆうれいたちが追ってくる。たすけて、ぼくを置いていかないで! ホラー小説界と絵本界の新鋭コンビが「ゆうれいのまち」へ誘い込む。(特設サイトより引用)
作・恒川光太郎/絵・大畑いくの
・購入はこちら
『ちょうつがい きいきい』 -2011年
部屋の扉を開けると、きいきいと音がする。よく見ると、なんとそこにはおばけがはさまっていて、痛い痛いとさけんでいるではないか。耳をすますと、あっちからもこっちからも、きいきいきい…さあ大変だ! 加門七海と軽部武宏が奏でる鳴り止まない恐怖。(特設サイトより引用)
作・加門七海/絵・軽部武宏
・購入はこちら
『かがみのなか』 -2014年
いえでもまちでも、見ない日はないかがみ。そのかがみと少女をめぐるふしぎなお話。かがみを見るたびにこわさがよみがえる。恩田陸と樋口佳絵が描く、身近にひそむ恐怖の世界。(特設サイトより引用)
作・恩田 陸/絵・樋口佳絵
・購入はこちら
『おんなのしろいあし』 -2014年
ぼくはオバケなんかこわくない。ともだちみんながこわがるそうこに、ぼくはひとりではいった。するとそこには…。(特設サイトより引用)
作・岩井志麻子/絵・寺門孝之
・購入はこちら
『くうきにんげん』 -2014年
「くうきにんげん」を知っているかい? 誰も気づいていないけど、世界中にたくさんいるんだよ。普通の人間におそいかかって、空気に変えてしまうのさ。ほら、君のそばにも。綾辻行人と牧野千穂が、見えない魔物を描きだす。(特設サイトより引用)
作・綾辻行人/絵・牧野千穂
・購入はこちら
『はこ』 -2014年
このはこ、なんだっけ? あかない はこ。ふると、コソコソ おとがする。「はこ」と「女の子」をめぐる 静かな恐怖のものがたり。小野不由美とnakabanが、あなたを恐怖の世界へとじこめる。(特設サイトより引用)
作・小野不由美/絵・nakaban
・購入はこちら
『まどのそと』 -2020年
かたかたかた…かたかたかた…ずっとなりやまない音。ねむりたいけどねむれない。佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。(特設サイトより引用)
作・佐野史郎/絵・ハダタカヒト
・購入はこちら
『おろしてください』 -2020年
裏山を探検していた「ぼく」は、道に迷って歩きまわるうちに、小さな駅を見つけた。そこへやってきた列車に乗り込んだ「ぼく」の目に飛びこんで来たものは……。
有栖川有栖と市川友章が描く、悪夢の列車がはしり出す。(特設サイトより引用)
作・有栖川有栖/絵・市川友章
・購入はこちら
『いただきます。ごちそうさま。』 -2020年
ぼくは、たべるのがだいすきです。なんでもたべます。たべられます。ぼくはどんどんたべて、おおきくなり…
あさのあつこと加藤休ミが描く、世にもおいしい怪談物語。(特設サイトより引用)
作・あさのあつこ/絵・加藤休ミ
・購入はこちら
『おめん』 -2020年
いやなやつ、いるよね。なんでもできる、きれいなあのこ。きらいなあいつ。いじめっこ。これをかぶると、ひとを のろうことができる。なんでもできる、このおめん。すごいぞ、すごいぞ。夢枕獏と辻川奈美が、だれにもひそむ心の闇を描き出す。(特設サイトより引用)
作・夢枕獏/絵・辻川奈美
・購入はこちら
怪談絵本などでおなじみの気鋭の作家たちが描く、身の毛もよだつ戦慄の世界。子どもたちが日常で経験する身近なシチュエーションがテーマの作品ばかりのため、恐怖を感じやすいのではないでしょうか。
『おいで…』 -2019年
みどり公園のトイレには、幽霊が出るという噂がある。ところが犬の散歩中、ぼくはおなかが痛くなってきた。でも、幽霊なんてただの噂だ。大丈夫、こわくない……。空気のよどみまで表現した絵と文で、身近にひそむ恐怖へ引きずり込む。
作・有田 奈央/絵・軽部 武宏
・購入はこちら
『帰り道』 -2020年
長くのびる電柱の影。ひなたぼっこをしているネコ。つきあたりの家の立派な木。いつもと同じ帰り道。だけど、あれ?こんな道あったっけ…?――いつも通っている道で、これまで気がつかなかった路地を見つけることはありませんか?そして、そこに入ってみると…。町並みの緻密な描写と余韻を残す文章で、日常の景色を歪めていく。
作・有田 奈央/絵・羽尻利門
・購入はこちら
『空き家』 -2021年
町の外れにある一軒の空き家。生い茂った草木に囲まれていて、まるでおばけ屋敷みたいだ。わたしはずっと、家の中が気になっていた。――あなたの身近に空き家はありますか? でも、中が気になっても決して入ってはいけません。なぜなら……。磨き抜かれた鉛筆画と文章で、見知らぬ土地にひそむ不穏なうごめきを描く。
作・有田 奈央/絵・森洋子
・購入はこちら
『エレベーター』 -2021年
習い事をはじめてから、この古いビルに通うようになった。いつも使っているエレベーターも、古くてゆっくりと動いている。ぼくは一人で乗っていると、ときどき不安になる。だって……。一人きりのとき、不安なとき、よからぬ想像をしてしまうことはありませんか? 実はその想像が、現実の恐怖を誘っているかもしれません。
作・有田 奈央/絵・大野隆介
・購入はこちら
『ばけねこ (おばけ話絵本)』 -2021年
昔々のお話です。ある女の子が可愛がっていた猫のタマがいなくなりました。父親によると、年をとった猫はみな、「ねこみみやま」に行って、最期の時をむかえるとのこと。ですが、ねこみみやまに行った者はだれも帰ってきません。だから行ってはならない、と言われた女の子ですが、どうしてもタマに会いたいと山へと向かいます。ですが、途中で霧がわいてきて、道に迷ってしまいました。こまっていると、一軒の家の灯りが見えました。助けを求めたそのお屋敷は…。作・杉山 亮/絵・アン マサコ
・購入はこちら
『ついてくる』 -2021年
遊びに夢中になっていったら、すっかり…… ……帰るのが、遅くなってしまった。 早く帰らなくちゃ。 ひた、ひた、ひた…… かさ、かさ、かさ…… くわ、くわ、くわ…… ぴち、ぴち、ぴち…… ぼう、ぼう、ぼう…… ぺと、ぺと、ぺと…… だれかが あとを ついてくる音がする……? ページをめくるたび繰り返される、 ドキドキの<緊張>と安堵の<弛緩>。 さあ、あなたも絵本を開いて、 一緒に後ろをふりかえってみませんか?
作・小川育
・購入はこちら
『おともだち できた?』 -2017年
少女が引っ越してきたのは、縁もゆかりもない見知らぬ街。お母さんは少女に言います。「おともだち さがしてらっしゃい」お父さんも少女に言います。「だれかと あそんだかい」近所のおばさんも少女に言います。「おともだち できた?」少女は答えます。「うん できたよ」その瞬間、世界は反転する。
作・恩田 陸/絵・石井 聖岳
・購入はこちら
『おいで おいで・・・』 -2021年
町のはずれの古寺で遊んでいると「おいで」と呼ぶ声がした。ぼくにしか聞こえないのか、みんなに話しても誰にも信じてもらえない。その晩、ぼくの部屋の雨戸をたたく音がする。「誰、何の用?」ぼくがそうたずねると、たたく音は止まり、少しだけ開いた窓から白い細い指が入ってくるのが見えた。怖くて怖くて、ぼくは布団の中にもぐりこんだ。そうしたら布団の中から声がした。「おいで…おいでよ おいで……」
作・中村 まさみ/絵・松本 ジョゴ
・購入はこちら
『あかい さんりんしゃ』 -2021年
どこまでもついてくる――。
ある朝、突然現れた女の子。不安はやがて恐怖へ――。どこか懐かしさのあるお話ながら、新鮮さもある怖い絵本。
怪談入門にもおすすめ。
作・犬飼 由美恵/絵・中島 梨絵
・購入はこちら
『絵本 地獄』 -2003年
千葉・旧安房郡延命寺秘蔵地獄絵巻をもとに、死ぬことの怖さ、命の大切さを子供たちに培うロングセラー絵本。
作・白仁 成昭、中村 真男/監修・宮 次男
・購入はこちら
今回ご紹介した絵本「いるのいないの」の作者・京極夏彦さんが手がける、他にも日本の古い怪談や妖怪をテーマにした絵本がたくさんあります。別のページで紹介していますので併せてぜひお読みください。
最後に
いかがでしたか?
今回は、大人も楽しめる、子どもが読むとこわ~い絵本をご紹介しました。
怖いは面白い、怖いから考えちゃう、怖いから覗いちゃう、そんな子供の純粋な好奇心を怖さに乗せてお届けする絵本。そこから何を感じるか想像しちゃうのか…お子さんと色々な会話をしながら余韻に浸るのも面白そうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。