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久坂部羊の小説まとめ|現役医師によるリアルな医療現場をテーマにしたミステリー小説など

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最近ドはまりしてる久坂部先生をまとめます。

研究員Aoringo
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ハマったきっかけ

久坂部羊さんを知ったのは、つい最近のことです。
水木しげる生誕100年を記念して放送された、NHK BSプレミアム「水木しげるの妖怪バンザイ!」でコメントされているのを見かけたのがきっかけでした。

妖怪や怪奇ものといったジャンルからほど遠いと思われるような医学の世界に生きる現役のお医者さんが、妖怪について語っているのを見て面白いなぁと思っていたところなんと小説を書いているという。水木しげるを語る医者の書いた小説ってどんなんやろ?って純粋に興味を持ち気が付くとAmazonを開いていました。

何となく検索上位に出てきた「悪医」「廃用身」「無痛」の3冊を購入。
届いてさっそく「廃用身」という作品から読み始めたところ、憑かれたようにむさぼり読み、気が付くと3冊を一気に読破、外はすっかり朝になっていました。

「廃用身」という作品は面白い構成で、恥ずかしながら私は途中まで小説ということを忘れて本当にそういう医者がそういう医療をやっている手記だと思って読み進めてたんです。世の中には、私が知らないだけでこんな老人介護のやり方があるのか、と本気で思ってました。かなり刺激的な内容ではあるものの、昨今テレビやネットで介護現場の厳しい状況や、介護がらみの悲しいニュースは少なくないこともあり、こういう人生もあるのだなぁと、本気で感心していたんです。笑

ところが途中から一気に様子が変わっていきました。
ページをめくることが怖くなっていく、なのに止まらない。おぞましい裏側、見たくない真実、認めたくない本性、現実世界と小説の中の世界が錯綜して、どこからが本当でどこからがフィクションなのか医療のことなんて素人の私にはほんとうに分からなくて戸惑いました。

そんな、老人介護と手足の麻痺をテーマにした「廃用身」、そして次は「もうできる治療はありません」と宣告された癌患者とそれを告げた医師の目線で癌をテーマにした「悪医」。こちらも、身近な病気である「癌」だけに他人事とは思えない内容に深く考えさせられました。

そして最後は「無痛」。これははじめの2冊と毛色が少し違う、かなり現実離れした(とはいってもそういう病気や障害は実際に存在するのですが)設定のミステリーで、かなりグロテスクな内容でした。現実離れした設定やキャラクターであるはずが、現役の医師による殺された被害者の殺害状況描写はあまりに具体的で細かく、手術の様子に至っても映画を観てるようにまざまざと目の前に景色が広がって心電図の音さえ聞こえてきそうな没入感を誘います。

そんなわけで数日で一気にハマった久坂部羊さんの小説をこれから読み進めるためにもまとめようと思ったところです。

久坂部羊さんの来歴

久坂部 羊(くさかべ よう)さんは、1955年7月3日生まれ。
出身は大阪府堺市。大阪府立三国丘高校、大阪大学医学部卒業。

大阪大学医学部附属病院にて外科および麻酔科を研修。その後大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科に勤務。

地元めっちゃ近い!そしてめっちゃ頭いい人や~

研究員Aoringo
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サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館で医務官として勤務し、帰国後は在宅医療に従事。同人誌『VIKING』での活動を経て、2003年に『廃用身』で作家デビュー。第2作『破裂』は、単行本の帯に「医者は、三人殺して初めて、一人前になる」と衝撃的な文句がつけられ、現代版『白い巨塔』とも評される。
2014年、『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞。2015年、『移植屋さん』で「第8回上方落語台本募集」(上方落語協会)優秀賞を受賞。
2015年現在は健診センターで非常勤医師として働き、大阪人間科学大学で講師を務めている。

現役の医師として働きながら長編小説を何冊も書くってすごすぎ。

研究員Aoringo
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久坂部羊さん小説(長編・短編集)

ここからは、久坂部羊さんの著書を紹介していきます。

廃用身  -2003年

久坂部羊、作家デビュー作。
廃用身とは、脳梗塞などの麻痺で動かず回復しない手足をいう。神戸で老人医療にあたる医師漆原は、心身の不自由な患者の画期的療法を思いつく。それは廃用身の切断だった。患者の同意の下、次々に実践する漆原を、やがてマスコミがかぎつけ悪魔の医師として告発していく―。『破裂』の久坂部羊の、これ以上ない衝撃的かつ鮮烈な小説デビュー作であった。

怖い度★★★★☆
泣ける度★★☆☆☆
ミステリー度★★★★☆

破裂 -2004年

医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は、“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て、医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。

無痛 -2006年

見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条―。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そして八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が…。

怖い度★★★☆☆
泣ける度★☆☆☆☆
ミステリー度★★★★★

まず石を投げよ -2008年

外科医・三木達志は医療ミスを告白し、患者の遺族にみずから賠償金支払いを申し出た。これに究極の誠意を感じたライター・菊川綾乃は取材に乗り出すが、「あれは殺人だった」との手紙が舞い込む。不倫、自殺、テレビでの医師の心理実験、墜落願望。医療ミスは事故なのか、それとも密かな殺人か。医師の好き嫌いで患者が殺されたら……。現代人の心の奥の深い闇をえぐりだす、『破裂』でベストセラーの著者による医療ミステリー。

神の手(上・下) -2010年

安楽死は慈悲か殺人か! 日本版ポストマ事件をめぐる医療の世界の光と闇。現代医療では、安楽死の問題は避けて通れない。法律では認められていないが、それに近いことが、現場ではさまざまな形で密かに行われている。安楽死は慈悲か、殺人か。それを行う医師は「神の手」を持つのも同然である。安楽死法の制定をめぐって、医師、患者、政治家、官僚などが、それぞれの思惑から闘いを繰り広げる。安楽死法が制定されていちばん得をするのはだれか。医療の世界の光と闇を、余すところなく描く。

第五番 -2012年

「無痛」の続編にあたる。
創陵大学准教授の菅井は患者の黒い肉腫に啞然とした。エイズに酷似するウイルスが骨を溶かし数日で全身に転移、意識障害で死に至らしめる。あらゆる薬が効かず数カ月で日本中にこの「新型カポジ肉腫」が多発したが国は無策で人々は恐慌した。一方ウィーンで天才医師・為頼がWHOの関連組織から陰謀の勧誘を受ける。

怖い度★★★★☆
泣ける度★★☆☆☆
ミステリー度★★★★☆

悪医 -2013年

第3回日本医療小説大賞受賞作。
余命宣告された52歳の末期がん患者は、「もう治療法がない」と告げた若き外科医を恨み、セカンドオピニオン、新たな抗がん剤、免疫細胞療法、ホスピスへと流浪する。2人に1人ががんになる時代、「悪い医者」とは何かを問う、

怖い度★★☆☆☆
泣ける度★★★☆☆
ミステリー度★☆☆☆☆

嗤う名医 -2014年

天才的心臓外科医の隠された顔、最高の治療の為には誰にも妥協を許さない名医、患者の嘘を見抜いてしまう医者・・・・・・。
現役の医師が皮肉を交えて医療に携わる人間を描く、ミステリー短編集。

【収録作品】
寝たきりの殺意 / シリコン / 至高の名医 / 愛ドクロ / 名医の微笑 / 嘘はキライ

芥川症 -2014年

名作が現代の病院に蘇る。毒とユーモアで生老病死の歪みを抉る超異色医療小説。

【収録作品】
病院の中 / 他生門 / 耳 / クモの意図 / 極楽変 / バナナ粥 / 或利口の一生

いつか、あなたも -2014年

在宅医療専門クリニック看護師の“わたし”と新米医師、院長らが、患者本人と家族、病とその終焉に向き合う。終末医療、看取り、安楽死、死後処置…カルテに書かれない六つの物語。2018年に改題「告知」として幻冬舎より発刊。

【収録作品】
綿をつめる / 罪滅ぼし / オカリナの夜 / アロエのチカラ / いつか、あなたも / セカンド・ベスト

虚栄 -2015年

凶悪化がん治療国家プロジェクト「G4」の発足に、外科医・雪野は期待を抱いた。手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法。四グループの邂逅は陰謀に満ちた覇権争いに発展。がん医療の最先端をサスペンスフルに描く。

反社会品 -2016年

法に護られた高齢者と、死にものぐるいで働く若年層に分断された社会。医療の近未来を描く、キケンな短篇小説集。
2019年に改題「黒医」として発刊。

【収録作品】
人間の屑 / 無脳児は薔薇色の夢を見るか? / 占領 / 不義の子 / 命の重さ / 覗き穴 / 老人の愉しみ

老乱 -2016年

在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。
老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?
現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な”真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。

怖い度★★☆☆☆
泣ける度★★★★★
ミステリー度★☆☆☆☆

テロリストの処方 -2017年

医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。日本の医療界全体を揺るがす陰謀が、うごめき出す―。

院長選挙 -2017年

立大学病院の最高峰、天都大学医学部付属病院。その病院長・宇津々覚が謎の死を遂げる。「死因は不整脈による突然死」という公式発表の裏では自殺説、事故説、さらに謀殺説がささやかれていた。新しい病院長を選ぶべく院長選挙が近く病院内で開かれる。候補者は4人の副院長たち。「臓器のヒエラルキー」を口にして憚らない心臓至上主義の循環器内科教授・徳富恭一。手術の腕は天才的だが極端な内科嫌いの消化器外科教授・大小路篤郎。白内障患者を盛大に集め手術し病院の収益の4割を上げる眼科教授・百目鬼洋右。古い体制の改革を訴え言いにくいこともバンバン発言する若き整形外科教授・鴨下徹。4人の副院長の中で院長の座に就くのは誰か?まさに選挙運動の真っ盛り、宇津々院長の死に疑問を持った警察が動き出した…。

カネと共に去りぬ -2017年

カミュ、カフカ、夏目漱石――文豪オールスターズが医療業界に殴り込み! ある朝、心が毒虫のように変容した外科医の葛藤を描く「変心」、安楽死を遂げた妻が託した遺言の謎を追う「予告された安楽死の記録」、高級老人ホームを舞台にした資産家達の老いらくの恋と分断の物語「カネと共に去りぬ」など、世界の名だたる文学作品を換骨奪胎! 現代医療の噓と欺瞞を鋭く抉る、劇薬揃いの異色短編集。

【収録作品】
医呆人 / 地下室のカルテ / 予告された安楽死の記録 / アルジャーノンにギロチンを / 吾輩はイヌである / 変心 / カネと共に去りぬ

祝葬 -2018年

「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは僕を祝福してくれ」自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという―。簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。

【収録作品】
祝葬 / 真令子 / ミンナ死ヌノダ / 希望の御旗 / 忌寿

介護士K -2018年

「死なせるのは慈悲なんです」―高齢者医療と介護の実態をえぐり出し、生と死のあり方を問う衝撃作!有料老人ホーム「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生した。ルポライターの美和は虐待の疑いを持ち、調査をはじめる。やがて虚言癖を持つ介護士・小柳の関与を疑うようになるが、彼にはアリバイがあった。そんななか、第二、第三の事故が発生する―。なぜ苦しむ人を殺してはならないのか。現役医師でもある著者が、人の極限の倫理に迫った問題作。

怖い度★★★★☆
泣ける度★★☆☆☆
ミステリー度★★★☆☆

老父よ、帰れ -2019年

45歳の好太郎は老人ホームから認知症の父を自宅に引き取ることにしたが…。高齢者医療を知る医師でもある著者が、懸命に取り組むがゆえに空回りする家族の悲喜劇を描く「認知症介護」小説。

オカシナ記念病院 -2019年

離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、薬の処方は患者の言いなり、患者が求めなければ重症でも治療を施そうともしない。反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を取り入れようとするが、さまざまな問題が浮き彫りになっていき―。現代の医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける。著者渾身の医療エンターテインメント。

怖い患者 -2020年

いくつもの病院を渡り歩くドクターショッピング、快適なはずの介護施設で起こるおそろしい争い…現役医師がおくる、強烈にブラックな短編集。

【収録作品】
天罰あげる / 蜜の味 / ご主人さまへ / 老人の園 / 注目の的

生かさず、殺さず -2020年

がんや糖尿病をもつ認知症患者をどのように治療するのか。認知症専門病棟の医師・三杉のもとに、元同僚で鳴かず飛ばずの小説家・坂崎が現われ、三杉の過去をモデルに「認知症小説」の問題作を書こうと迫ってくる。医師と看護師と家族の、壮絶で笑うに笑えない本音を現役医師が描いた医療サスペンスの傑作。

善医の罪 -2020年

意識不明の重体で運ばれた、横川達男。
主治医の白石ルネは、延命治療は難しいと治療を中止。家族の同意のもと、尊厳死に導いた。三年後、カルテと看護記録の食い違いが告発される。白石は筋弛緩剤を静脈注射したというのだ。医療業界を揺るがす大問題へと発展し、検察は彼女を殺人罪で起訴した。保身に走る先輩医師、劣等感を感じる看護師、虚偽の報道を繰り返すマスコミ。様々な思惑が重なり合い、事態は思わぬ方向へと転がって―。

MR -2021年

「患者ファースト」のMR vs. 儲けしか頭にないMR。製薬業界の光と影を描いた医療ビジネス・エンタテインメント

大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長であり、MRの紀尾中正樹は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していた。ところが、外資のライバル社タウロス・ジャパンの鮫島淳による苛烈な妨害工作によって、コンプライアンス違反に問われてしまう。窮地に追い込まれた紀尾中と堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は?
注目集める医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説の傑作。

怖い度★★☆☆☆
泣ける度★☆☆☆☆
ミステリー度★★★★☆

R.I.P. 安らかに眠れ -2021年

優しかった兄が、三人もの自殺志願者を殺めた――。
世間から極悪人と糾弾される村瀬真也。連続凶悪事件を犯した兄が語り始める不可解な動機を解き明かそうと、妹の薫子は奔走するが、一線を越えてしまった真也の「知らなかった一面」に衝撃を受ける。自殺志願者を次々殺めた男の告白から見えてきた真実とは――。行きすぎた正義と、無関心な親切は、どちらが正しいのだろうか。誰もが目を逸らしたくなる問題に、著者自身も懸命に向き合い書き下ろした長編小説。

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にわかホラー研究員
関西在住。ホラー映画を見たりホラーに関することで興味が出たものをマイペースに調べたりしてブログ記事にしています。いろんな映画を観るよりは好きな作品やシリーズを掘り下げるのが好きです。もっぱら在宅シネマ―で動画配信サービス&BS/CS録画で楽しんでます。
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