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「ソウ4 -Saw IV」(2007)考察&レビュー:ジグソウなき後ゲームを後継するのは…?

2022年11月12日

”新たなゲームの始まりだ”

ソウ4 -Saw IV
上映日:2007年11月17日 製作国:アメリカ

ここがポイント

ついに脚本からリー・ワネルの名前が消えた本作。ゲームはジグソウの手を離れ、ストーリーは刑事たちを中心にサスペンス色を強めていきます。残虐性を楽しみにするとズッコケるかも、な本作。ジグソウは死んでしまったけど回想シーンとしていっぱい出てきます。

「ソウ4」について

監督は、「ソウ2」「ソウ3」に続きダーレン・リン・バウズマンがつとめているので大きく世界観が変わるようなこともなく、これまでのソウの雰囲気を引き続き放つ作品でありながら、脚本から「ソウ」の生みの親の一人であるリー・ワネルの名前が消えています。ただし、製作総指揮という立場でジェームズ・ワン、リー・ワネル共に参加。

リーが脚本を担当しなかった理由は、単純にソウに飽きたかららしいですw ソウ以降、ワンもワネルも新しい作品制作に忙しくなっていってますし、新しいことが大好きそうな2人なのでそれも仕方なし。しかし、ソウシリーズの続編をファンは期待しているので、監督探しにおいても当初バウズマンはやるつもりがなかったそうですが、とりあえず引き受けることになった、という流れらしいです(^^)

作品がもともとの制作者の手を離れ独り歩きしていくのを「フランチャイズ作品」と言うそうですが、本作は「ソウシリーズ」初のフランチャイズ作品といえます。そして、「ソウ1〜3」までをジグソウが生きている初期三部作であるとするならば、この「ソウ4」から「ソウ6」までが、フランチャイズ作品として1つのかたまりとして、もともと提案されています。

Aoringo

グロ度は前作より劣るものの、ジグソウ亡き後の新たなソウワールドが楽しめた作品でした。

「ソウ4」を観た感想(ネタバレなし)

ストーリーは前作「ソウ3」から繋がっているものの、ジョン・クレイマーが死亡した後の初の作品となります。

冒頭からジョン・クレイマーの遺体解剖シーンでなかなか衝撃的な幕開け。しかも、遺体の中からテープレコーダーが出てくる、死んでもエンタメ精神を忘れないカリスマ、ジグソウです。人には「執着するな」と言いいながら自分は死してなおゲームに執着するという(^^)/

前回、弟子(後継者)とされていた女性アマンダも今はおらず、これらのゲームが誰によってどのような思惑で動いているのか?そしてテープレコーダーに残されたジグソウの遺言のようなメッセージの真意とは何なのか…、刑事たちが主役になってよりサスペンス色が強い作品に仕上がっています。

刑事やSWAtの仲間たちが無残に殺されているので警察側もピリピリしております。物語は、事件を解明すべく新しい登場人物FBIのストラム捜査官と、以前からジグソウ事件を担当してきたホフマン刑事が中心になって進む一方、失踪している先輩刑事エリックを見つけ出そうと躍起になるダニエル・リッグ刑事。

そしてリッグ刑事はあれよあれよとゲームに参加させられる羽目に。

衝撃的だった「ソウ」に始まり、ある意味初期3部作ともいえる「1〜3」とは違い、脚本がリー・ワネルの手を離れた初のフランチャイズ作品といえる本作。公開当時、評価はこれまでと比べイマイチだったにせよ、ソウファンの期待に応えるべく試行錯誤された経緯については評価するべきだし、続編を作ってくれた事自体がファンとしては嬉しいですよね(^^)/

殺人鬼の動機が曖昧でよくわからんけど人がサクサク死んでいくスラッシャーホラーと違い、ソウは殺人鬼の過去や背景、そして一人の凶行ではなく様々な容疑者が登場し、複雑に絡んだ人間関係などもある。何かを明らかにしようとすれば全体像が見えないと納得できなくなり、ソウの場合はそのために登場人物たちを回を重ねていくごとに掘り下げていく必要性にかられている気がした。初回から謎解きに重点を置いた脚本であったこともあり仕方ない。

それぞれのゲームや事件の関連性と時系列を調べる私の手間が大変になるだけの話。笑

「ソウ4」を観た感想(ネタバレあり)

※ご注意ください。
この先はネタバレを含みます。

ソウ4

同時進行していたゲーム

なかなか複雑で一度見ただけでは理解しきれなかった本作(^_^;)

つまり、今回のリッグ刑事の「執念に囚われるなゲーム」と、前回のジェフが被験者となった「復讐に囚われるなゲーム」、そして実は生きてたエリック刑事の「氷解けたらアウトゲーム」3つのゲームが同時進行で行われていたことということが判明しました。

前作でゲーム被験者であったジェフ、妻リー医師の頭が吹き飛んだあと生死不明でしたが、今回ストラム捜査官によって撃たれて死亡したことが明らかになりました。

一方、「ソウ2」でジョン・クレイマーに息子を被験者として参加させられたエリック刑事。息子は助かったものの、彼自身が閉じ込められてエンディング。その後「ソウ3」で彼が足を自分で潰して足かせから何とか脱出し、逃げ出そうとしていたことが判明していました。しかし、脱出途中でアマンダに攻撃され、瀕死の状態に。その後失踪扱いとなっていましたが、今回再びゲームの参加者として登場。

さらに、そんなエリックを探しだす執念にかられ今回ゲーム被験者となったのがリッグ刑事。彼が実は生きていることを知らされ、彼を救うため最終的にギデオン食肉工場にたどり着きますが、最後まで執着を捨てきれず最悪の結果になりました。

リッグ刑事に課された試練

リッグ刑事へのゲームは、「執着を捨てろ」ということだったので、多分エリックたちのいた現場に立ち入らず、そのまま立ち去っていれば、執着を振り切れたということで彼自身も助かり、部屋の中はタイムオーバーになったら弁護士アート・ブランクが押すことになっていたスイッチによってエリック、ホフマン含む3名ともが生存できていたのかもしれません。定かではないですが。

もう一つの試練として「彼らは彼ら自身によって救われる」というもの。多くの人を救うことはできないから執着をやめて彼ら自身で生き延びれるようにしなくてはあかん、みたいなこと。唯一、モーガン夫人が夫を犠牲にすることで生き延びることができていますが、他の3名は死亡。(頭皮をひっぱられたブレンダ、連続婦女暴行犯だったマーティ・アダムズは目を刺され、手足を引きちぎられ死亡、レックスは妻モーガンによって死亡)

リッグ刑事に伝えられた最後のヒント「誰を救うか思い出せ、時はお前の味方だ」を見て彼は「どういう意味だ?」と言ったけど私も「どういうこと?」と全くわからんかったw 要するに、リッグ刑事がタイムリミット前にホフマン、エリック、ブランクがいる彼らの現場に踏み込んだらアウトっていうことだったらしいけど、そのヒントからそれは察せなくない?誰を救うかを思い出せ…って誰のことだったんだろう。リッグ自身?エリックのこと?

うーん。生き延びるのむずすぎ(^^)/

真犯人をにおわす伏線

ジグソウ亡き後、最終的に今回のゲームを用意した真犯人は、ゲームに参加させられていたホフマン刑事その人でした。彼が真犯人であると中盤から気づいた人も少なくなかったのでは?

アリソン・ケリー刑事の死

ケリー刑事は、ジグソウによる事件として捜査が進んでいた被害者トロイの事件(体から鎖を引き剥がしきれず爆死。)が、これまで鉄則だった犠牲者に生き残るチャンスを与えるという彼の手口と違い、出口が塞がれていることを突き止め、別の人物によるものではないか、と推測しました。そのため、ホフマンによって犠牲者として選ばれた可能性があります。

また、ストラム捜査官はケリー刑事の殺害現場に置いて、彼女の体を持ち上げるのは病床のジグソウはおろか、小柄なアマンダにも無理だろうから、それ以外の第三者が関わっているかもしれないと突き止めています。

ただし、ケリー刑事の死については、「ソウ3」でアマンダの「生存できないゲームの被害者」の回想シーンとしても登場しており、ホフマンとアマンダがジグソウ生存時から関わっていたことが示唆されています。

冒頭のシーン

3つのゲームが同時進行していたことから、映画冒頭の遺体解剖のシーンが、これらの後の出来事であることがわかります。
ホフマンは以前からジグソウの仕事を手伝う立場であり今回はゲーム参加者、そして唯一の生存者として最後まで生き延びた立場であのテープレコーダーを聞いたことになります。

つまり、テープレコーダーでジグソウが語る「ゲームは始まったばかりだ」というメッセージは「ソウ4」のことではなく次回作「ソウ5」以降のことを指し示しているといえます。

「ソウ4」概要

Aoringo

複雑すぎてむずい。

最終グロさしか残らんという結果になるのもうなずける。

研究員・ゾビ子

予告トレーラー

あらすじ

ジグソウと弟子アマンダは死んだ。ジグソウ最後のゲーム現場でパズルを解こうと奮闘するホフマン刑事。ケリー刑事殺害のニュースを聞いたFBIからストラム捜査官とペレス捜査官も駆けつける。しかしその頃、ジグソウに関わって唯一生き残っていたSWATのリッグ刑事が、新たなゲームに強制参加させられていた。与えられた時間は90分。すべての罠をクリアして旧友を救うことが出来るのか、それとも地獄の結末を迎えるのか―。

スタッフ

  • 監督:ダーレン・リン・バウズマン
  • 脚本:パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン
  • 原作:リー・ワネルジェームズ・ワン
  • 主題歌:ー
  • 製作:ツイステッド・ピクチャーズ
  • 配給:アスミック・エース(日本)

キャスト

ジョン・クレイマー(ジグソウ)役トビン・ベル
出典:IMDb

殺人鬼ジグソウと呼ばれる男。もとは建築と機械工学に精通した実業家だった。

マーク・ホフマン刑事役コスタス・マンディロア
出典:IMDb

事件の担当刑事。エリックと抱き合わせてゲームの参加者になってしまう。

ピーター・ストラム捜査官スコット・パターソン
出典:Wikipedia

FBI捜査官。現場を見て、ジグソウにはアマンダ以外の協力者がいることに気付く。ジルの尋問を担当し、その後は「ゲーム」を追跡する。

ジル・タック役ベッツィ・ラッセル
出典:Wikipedia

ジョンの元妻。麻薬の再生施設の院長をしている。彼女によってジョンの過去が語られる。

  • リリク・ベント ーダニエル・リグ刑事(SWATの隊長でたたき上げの警官。ジグソウの「被験者」として選ばれてしまう。)
  • ドニー・ウォルバーグ ― エリック・マシュー刑事役(2作目でゲームに巻き込まれ、そのまま半年間監禁されていた。今作で再びゲームに参加)
  • アシーナ・カーカニス ― リンジー・ペレーズ役(FBI捜査官でストラムの相棒)
  • ディナ・メイヤー ― アリソン・ケリー刑事役
  • ジャスティン・ルイス ーアート・ブランク役(弁護士。リッグやホフマンと言い争っていた。冒頭のゲームに参加。)
  • サレイン・ボイラン ーブレンダ役(少女売春の斡旋をしていた女性。ゲーム参加者。)
  • マーティ・アダムズ ーアイヴァン・ランズネス役(婦女暴行し、アートの弁護で無罪放免になった男性。ゲーム参加者。)
  • ジャネット・ランド ーモーガン役(レックスの妻。夫の暴力に怯え、夫の言いなりになっていた。ゲーム参加者。)
  • ロン・リ― ーレックス役(モーガンの夫。娘を虐待し、学校で事情聴取を受ける。ゲーム参加者。)
  • ビリー・オーティス ーセシル・アダムス役(ジョンの妻であったジルの診療所に通う麻薬中毒患者。ジルを流産させてしまう。) ほか
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アオリンゴ

会社員|大阪在住|映画鑑賞と読書が趣味で、とくに大好きなホラー映画を掘り下げたい「にわか研究員」です。まだまだ観たことのない作品も多く更新はノンビリです。

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