Netflixドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」(2024)キャスト&考察レビュー:両親を惨殺した姉弟の兄弟の真実とはなんだったのか?
こんにちは!aoringo(@horror_apt)です。
2024年9月19日からNetflixで公開されている犯罪ドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」は、1989年に実際に起こったビバリーヒルズ両親惨殺事件を基にしています。
この記事では、有罪判決を受けたメネンデス兄弟またはメネンデス一家の真実に迫るドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」について考察・レビューします。
このドラマは実際の犯罪を描くTVシリーズ「モンスター」として第1弾のジェフリ―・ダーマーをモデルにした「ダーマー(原題:Monster: The Jeffrey Dahmer Story)」の続編(シーズン2)となっており、引き続きアメリカン・ホラー・ストーリーのライアン・マーフィーが製作総指揮に参加しています。
AHSになじみのあるキャストが登場するのでAHSファンは必見です!
Netflixドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」とは
1989年に高級住宅街ビバリーヒルズのとある豪邸で起こった殺人事件は、メネンデス夫妻が散弾銃で10発以上も撃ち込まれるという凄惨なものであり、当初はビジネスに絡んだマフィアによる事件として捜査が開始されたが、後に被害者の息子2人が逮捕されるという、一見幸せを全て手に入れているように見える富裕層ファミリーのスキャンダルとして当時はセンセーショナルに報道されたそうです。
兄弟はなぜ両親を殺害したのか?
彼らの育った環境とはどういったものだったのか?
メネンデス一家の隠された秘密について、法廷での弁護側と検察側、そして証人たちの証言によって真実が明らかになっていきます。
果たして虐待は本当にあったのか?
それとも…
製作について
アメリカではここ数年、リアル・クライム・ドラマがプチ流行りしているそうで、ライアン・マーフィーは最もそうした作品を多く手掛けるプロデューサーであるといえます。
実話を単なるドキュメンタリードラマではなく、独自の観点と描き方でスリラー要素のあるスタイリッシュなドラマに仕上げているのが特徴。
「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」も第1弾に続き、ライアン・マーフィーとイアン・ブレナンが制作したアメリカのドラマで、Netflixで2022年9月19日に全世界で全9話が一気に放映開始しました。
このドラマは事件の背景について、父親による性虐待とそれを容認していた母親の事情に重きを置きながらも、両親の立場にも立っているある意味でフェアな観点から描いていることもあってか、事件当事者である兄弟の1人、エリック・メネンデスからは批判を受けているそうです。
また、ドラマ内で兄弟間の近親相姦的な描写がチラホラある点については正確ではないとして批判が集まったそうです。
ライアン・マーフィーは自身がゲイであることをカミングアウトしており、関わる作品でも男性同士のセクシーな描写がけっこう目立つのは特徴の一つといえますね。(是非はともかく…)
主演の2人について
主演のメネンデス兄弟を務めたのは、ライル役のニコラス・チャベスと、エリック役のクーパー・コックです。
ニコラス・チャベス -Nicholas Alexander Chavez-
兄ライル役を演じたニコラスは1999年生まれ。
俳優を目指してテキサス州からロサンゼルスへ来たものの、コロナの時期に直面し自動車販売店でアルバイトをしながらも四苦八苦して2021年にドラマデビュー。
2021年から2024年まで放送されたドラマ『ジェネラル・ホスピタル』(おそらく日本では未放送)でスペンサー・キャサディン役を演じたことで知られているそうで、この役でデイタイム・エミー賞のドラマシリーズ部門最優秀若手俳優賞を受賞したそうです。
キャリアは浅いものの、サイコパス要素を持つ兄ライルの鬼気迫る様子を見事に演じてましたよね。
クーパー・コック -Cooper Koch-
弟エリック役を演じたクーパーは1996年生まれ。
ロサンゼルス出身で父親のビリー・コックは映画の視覚効果部門で働いており、祖父はプロデューサーのホーク・コック、曽祖父は映画プロデューサー兼監督のハワード・W・コックという映画界のサラブレッドともいうべき人物。
ニューヨーク市のペース舞台芸術学校に通い、祖父がプロデュースした2007年の映画『FRACTURE』で俳優デビューを果たしています。
日本ではモデルとして一部で知られているようで、調べると水原希子さんと一緒にGAPの広告に起用されたことがあるみたいでした。
イケメンですね~。
ドラマの中では、ちょっと自信なさげで母性をくすぐるような弱気な態度が可愛かったです。逮捕されても女性ファンが多かったのもうなずける。。
Netflixドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」出演俳優
メインキャスト
父親ホセを演じたハビエル・バルデムは映画「ノー・カントリー」での怪演が衝撃的でした。同作品でアカデミー助演男優賞を受賞しています。
母親キティを演じたクロエ・セヴェニーは女優として以外に、ファッション・アイコンとしてモデルキャリアも長く、ミュウミュウ、ルイ・ヴィトン、クロエ、H&M、ケンゾー、ヴィヴィアン・ウエストウッドさまざまな有名ブランドのモデルを務めてきました。
当研究所でメイン研究対象でもある「アメリカン・ホラー・ストーリー」にも準レギュラーキャストとして出演しており、とくにシーズン5「ホテル」では子供に執着する母親を演じています。
その他キャスト
- アリ・グレイナー(レスリー・アブラムソン役-エリックの主任弁護士)
- ネイサン・レイン(ドミニク・ダン役-ジャーナリスト)
- ダラス・ロバーツ(ジェローム・オジエル博士役-精神科医)
- ジェイソン・バトラー・ハーナー(レス・ゾラー刑事役)
- レスリー・グロスマン(ジュダロン・スミス役-オジエルの愛人)ほか
AHS常連キャストのレスリー・グロスマンが登場。いつも癖のある役を個性的にこなす彼女ですが今回もいい味でてました!
今回、Netflixで新着ドラマとして見つけ何も知らずに視聴を開始したのですが、ドラマの雰囲気が何となく好きだなーと思ってしばらくしてレスリー・グロスマンが登場した時点で「ライアン・マーフィー案件では」と、調べたらビンゴ!でした。AHS見てるだけあるな、と自分で思ったものですw
製作スタッフが同じだとやっぱキャスト被りはもちろん、ドラマの雰囲気や音楽の使い方など癖が出るんでしょうか。
虐待について
ドラマの前半はメネンデス一家の隠された真実を兄弟の視点、そして両親の出会いから一家の形成に至るまでを描き、後半は法廷でのやりとりがメインになっていきました。
両親を殺害した動機について、兄弟は幼い頃から父親による性的虐待があったことを告白します。その内容は非常にグロテスクなもので、真実であればかなり非道なものであることは間違いありません。
また、母親についてはアルコール中毒のうえ鬱病であり、父親に逆らうことをせず息子たちへの虐待も容認していたといいます。
父親ホセを演じたハビエル・バルデムの演技は、威厳のある絶対的な父親像として圧倒的な存在を示しており、視聴者はいかにもホセが病的な小児性愛者の性的虐待者であることを刷り込まれます。
しかし、これら長期間にわたる性的虐待についてのエビデンスはとくに示されることがなく、あくまで兄弟2人の証言によるものでしかないことも事実でした。
性的虐待という、人にはなかなか相談できないデリケートな問題。これまで表ざたにならずに一家の秘密として保持されてきたというのも頷けます。しかし、両親は亡くなっており反論の余地はありません。
法廷では、彼らの虐待についての証言が「ホントかウソか」という議論になっていきます。
杜撰な犯行
兄弟による両親殺害について、ドラマを見る限りは計画的とはいえ犯行の様子はずいぶん杜撰な感じがしました。至る所に防犯カメラがあったりGPSがある現代とは違い、1989年という時代背景もあってか、確実な状況証拠のようなものはなかったようでした。
悪夢にうなされ犯罪を自ら告白してしまう弟エリックの精神的未熟さや、キレやすく見知らぬファン相手に何でもかんでも打ち明けてしまう詰めの甘い兄ライル。あと一歩で「無罪」を勝ち取るところまでいったにも関わらず、2人の脇の甘さ(というのかな?)で、どんどんボロが出ていく様子が描かれてました。
海外のとあるレビューでは、「この事件に9話も費やす必要があったのか?」なんて辛辣なものもありました。私としては全然アリでしたが、とにかくダーマーが強烈なだけにってのはありますよね。
メネンデス兄弟とは…
裕福な家庭に生まれ育った兄弟(兄)ライル・メネンデスと(弟)エリック・メネンデスは、1989年に「両親が死んでいる」と警察に通報したが、後に容疑者として逮捕される。
裁判の中で彼らは父親による性虐待を告白したが、最終的に第一級殺人罪に問われ仮釈放なしの無期懲役を宣告され、現在も刑務所にいる。
全エピソード一覧
1: 雨のせい-Blame It on the Rain-
殺人事件の後、悪夢にうなされることに耐えられなくなったエリックは、セラピストに気持ちを打ち明けると同時に、衝撃的な告白をする。だが、それはセラピスト自身を守秘義務と倫理観の狭間で際悩ませるという、難しい立場に追いやることになるのだった。
2:豪遊-Spree-
警察からの事情聴取で、自分たちに疑いがかからないような供述をするライルとエリック。その後二人は、父親ホセが息子たちを相続から外すと明言していた遺言書の内容が公になる前に、大金を消費しやりたい放題の豪遊の日々を送る。
3:小銭を貸してくれないか-Brother, Can You Spare a Dime?-
エリックの告白が記録されているセラピストの録音テープに関する情報が警察に寄せられ、メネンデス兄弟の逮捕につながる。新たな弁護人に促され、過去にあった虐待に関する秘密を打ち明け始めるエリックだった。
4:やるかやられるか-Kill Or Be Killed-
ライルは、父親の期待に応え続けねばならなかった過去の辛い思い出を語る。その話からは、父親ホセの性的虐待が始まった時期や、それがエリックに及ぼした影響が明らかになっていく。
5:傷だらけの男-The Hurt Man-
弁護士レズリーとの面談に臨んだエリック。様々な感情を見せながら、子供時代に受けてきた肉体的虐待と精神t根木虐待のおぞましい経験を詳しく語っていく。
6:もうダメだなんて思うなよ-Don’t Dream It’s Over-
父親ホセと母親キティの出会い。幸せな始まりを迎えた二人の結婚はどのようにして破綻していったのか。変化していく夫妻の関係が、家族セラピーのセッションをとおして明らかになっていく。
7:ショーの幕開け-Showtime-
裁判の準備が思うように進まないライルとエリック。だがその後、世間の注目を集める二人のもとには支持者の声援やファンレターが届き、公判がテレビ放映されるまでになるのだった。
8:激変-“Seismic Shifts-
ちょっと変わった証人の登場で裁判の流れが変わるなか、エリックの証言がきっかけで兄弟ゲンカが勃発。さらに、二人をかつぎあげるような風潮にも陰りが見え始めるのだった。
9:裁きの時-Hang Men-
二回目の裁判が開かれ、検察側はエリックとライルが冷酷な殺人鬼であることを証明しようとする。陪審評決が下された後、兄弟は新たな現実に直面するのだった。
Netflixドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」のまとめ
いかがでしたか?Netflixドラマ「モンスターズ~メネンデス兄弟の物語」の感想や内容のまとめでした(^^)/今回、富裕層のスキャンダルに隠された真実をドラマエピソード9話で丁寧に描いていますが、シーズン1の「ダーマー」のエキセントリックさと闇深さが強烈すぎただけに、物足りなさを感じたのは正直なところです。
しかし、兄弟を演じた2人の演技はキャリアがまだまだ少ないながらも、難しい役柄を見事に演じていて素晴らしかったですよね!
前作「ダーマー」をレビューした時点では、まさかシリーズ化されるものだとは知らず、今回配信が始まった初めて知りました。実際に起きて解決済みの事件を扱う場合はデリケートな側面もあり難しく批判もあるとは思いますが、今後もリアルクライムを独自の世界観で描く作品は楽しみです。
シーズン3はエド・ゲイン
早くも待ち遠しい「モンスターシリーズ」シーズン3はチャーリー・ハナムが主演でエド・ゲインがピックアップされるそうです。
エド・ゲインといえば、殺害した被害者の皮を剥いでカバンやインテリアを作ったり…などの猟奇連続殺人鬼としてとても有名。
私が最近見てハマったアニメ「ゴールデン・カムイ」に登場する、動物のはく製を作ったり皮をなめしていろいろなものを作る江渡貝くんの名前もここから来てますよね(きっと、ていうか絶対w)
イヤー楽しみすぎますね。
予告トレーラー
当ブログはホラー好きな管理人がにわか研究員としてホラー映画やミステリー小説などをマイペースに掘り下げているブログです。
Twitterでは新着情報とかを発信中。