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Netflixドラマ「ダーマー-DAHMER-」(2022)キャスト&考察レビュー:ミルウォーキーの食人鬼を生み出したのは何だったのか?

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Netflixドラマ「ダーマー-DAHMER-」(2022)キャスト&考察レビュー:ミルウォーキーの食人鬼を生み出したのは何だったのか?

こんにちは!aoringo(@horror_apt)です。
2022年9月21日からNetflixで公開された、実在したかの有名なシリアルキラー、ジェフリー・ダーマーを題材にしたドラマ、「ダーマー”DAHMER”」について考察・レビューします。

ここがポイント!

製作総指揮は、アメリカン・ホラー・ストーリーを制作しているライアン・マーフィー。そしてジェフリー・ダーマー役を同じくアメホラでおなじみの俳優エヴァン・ピーターズが演じています(^^)/これだけでもう信頼できる!これまでも映画化されたことはありますが、今回はドラマでたっぷりと、ジェフリー・ダーマーが如何にして”怪物”となったのか、そして被害者の家族やジェフの隣人はどのような人々であったのか、様々な角度からこの事件を掘り下げています。

Netflixドラマ「ダーマー」とは

製作について

副題は『Monster: The Jeffrey Dahmer Story』で、ライアン・マーフィーとイアン・ブレナンが制作したアメリカのドラマです。Netflixで2022年9月21日に全世界で全10話が一気に放映開始しました。

ピーターズの演技を賞賛する一方で、その描き方に批判が寄せられるなど、様々な評価を受けているそうです。ジェフリー・ダーマーというアメリカの連続殺人鬼はあまりに有名であり、これまでも映画化された過去はありますが、このドラマは彼が1978年から1991年にかけて犯した殺人事件の動機と手口を探るものになっています。

また、隣人や関係者から見た事件発覚までの彼の様子はどのような感じだったのか、被害者がどのような人々だったのかにもしっかり着目しています。また、特筆すべきは、異常な状況を何度も通報していたにも関わらず警察が全く相手にしてくれなかったこと、有色人種への明らかな差別、貧困地域での警察の対応の杜撰さなどがクローズアップされている点です。

本当に彼らは殺されなければならなかっったのか…?
”何”が殺人鬼を生み出し、”何”が被害者をこれほどまでに増やしてしまったのか…

エヴァン・ピーターズについて

主演を務めたジェフリー・ダーマー役のエヴァン・ピーターズは、アメリカン・ホラー・ストーリーに9シーズン、10役以上をこなすおなじみキャストです。アメホラフリークのAoringoはもちろん全て観ていますが、それらのどの役でも見られなかったエヴァン・ピーターズが見られました

なかなかぶっ飛んだ役も多い彼でしたが、ドラマの中のジェフは、空っぽの狂気がじとっと纏わりつくような陰湿な気持ち悪さと共に、”怪物”であっても垣間見える人間臭さがしっかりと表現されていた気がします(^^)/

Netflixドラマ「ダーマー」出演俳優

メインキャスト

ジェフリー・ダーマー
エヴァン・ピーターズ
ジェフリー・ダーマー役
エヴァン・ピーターズ
出典:Wikipedia
ライオネル・ダーマー
リチャード・ジェンキンス
リチャード・ジェンキンス
出典:Wikipedia
シャリ・ダーマー
モリー・リングウォルド
シャリ・ダーマー役
モリー・リングウォルド
出典:Wikipedia
キャサリン・ダーマー
マイケル・ラーニング
キャサリン・ダーマー役
マイケル・ラーニング
出典:Wikipedia
グレンダ・クリーブランド
ニーシー・ナッシュ
グレンダ・クリーブランド役
ニーシー・ナッシュ
出典:Wikipedia

その他キャスト

  • マイケル・ビーチ(デニス・マーフィー役)
  • ディア・ナッシュ(サンドラ・スミス役)
  • ショーン・ブラウン(トレイシー・エドワーズ役)
  • コルビー・フレンチ(パトリック・ケネディ役)
  • マック・ブラント(ロバート・ラウス役)
  • グラント・ハーベイ(ロルフ・ミューラー役)
  • マシュー・アラン(ジョゼフ・ガブリッシュ役)
  • スコット・マイケル・モーガン(ジョン・バルツェジャク役)
  • ニック・A・フィッシャー(ジェフリー・ダーマー少年期役) ほか
Netflixドラマ「ダーマー」

ネタバレありの感想

注意※この先はネタバレ要素を含みます

殺人鬼の隣人、その後…

ダーマーの隣人グレンダ・クリーブランドは、この物語におけるヒロインの一人として描かれています。ミルウォーキー・ジャーナル・センチネル紙によると、クリーブランドは2011年に死去しています。記事によると、警察が「市民からの情報提供」で駆けつけた時、彼女はアパートの床で亡くなっていたそうです。死因は心臓病と高血圧。また、葬儀は行われなかったそうです。数ヵ月後に追悼式が予定され、ミシシッピで彼女を知る人たちが出席できるようになっていました。

リーブランドはダーマーが逮捕された後も、2009年まで同じ地域に住み続けていました。その後、少し離れた別のアパートに移り住み、亡くなるまでそのアパートで一人暮らしをしていたそうです。

殺人鬼に少年を引き渡した警察官

ジョセフ・ガブリッシュとジョン・バルサーザックは、連続殺人犯で食人鬼のジェフリー・ダーマーに裸で血を流しているラオス人で14歳の少年を引き渡した、ミルウォーキー警察の2人の警官です。ドラマでも描かれてましたね。あの状況で保護をしないなんてどう考えても異常です…。有色人種で低所得層に対する警察のずさんな対応はとても悔しいですね…。

この二人の警官は、警察署長のフィリップ・アレオラによって解雇されました。しかし、2人は解雇を不服として控訴。その後ロバート・J・パリンズ判事によってそれぞれ55,000ドルのバックペイ付きで復職させられたそうです。ダーマーが逮捕された時、大きなニュースとなったこの騒動にもかかわらず、二人はウィスコンシン州の警察で長いキャリアを積みました。バルサーザックは2017年にミルウォーキー警察を退職しています。

世界から届いた贈り物

刑務所の記録によると、ダーマーは服役中に世界中から郵便を通して1万2千ドル以上を受け取っていたそうです。ある女性は、彼に「イエスについて教えたい」と言い、350ドルと聖書の文献を送りました。別の女性は、彼がタバコ、切手、封筒を買えるようにと50ドルを送りました。また、74歳の修道女は、ダーマーが郵送した2冊の画集の送料を弁償するために10ドルを送ってきました。プレゼントは、遠く南アフリカやフランスからも送られ、ロンドンの女性からの5,920ドルの寄付も含まれていたといいます。

死刑にならなかった理由

ウィスコンシン州は、1853年に死刑を廃止した最初の州です。つまり、彼の犯罪がいかに凶悪であっても、ダーマーは(法廷調書で死刑を希望していたにもかかわらず)死刑を受けることができなかったのです。彼は刑期の最初の1年間は保護隔離室で過ごしましたが、その後は622人の受刑者がいる一般刑務所に入りました。

精神疾病について

連続殺人鬼の幼少期は、凄惨な虐待や過酷な家庭環境が原因であることが多いのに比べて、ジェフの少年時代は両親の不仲でケンカや口論があったとはいえ、比較的”普通”だったと言われています。ドラマでも、たしかに父親も祖母も厳しく、子供の言うことに耳を貸さないような頑固なところがありますし、母親も精神的に不安定で、少なからずジェフ少年の心理を不穏にさせていたのは間違いないとは思いました。でも、だからといって”連続殺人モンスター”になってしまうほどだったのか?と言われたら疑問です…

現代であれば、ジェフリー・ダーマーには何かしらの精神疾病に類する病名がついたのでしょうか。

ジェフには、境界性人格障害、統合失調症性人格障害、精神病性障害の診断がくだされましたが、裁判では正気であるとされました。

人肉の味

警察は、60時間以上に及ぶジェフリー・ダーマーの音声を記録しており、その中で彼は自分の犯罪についてぞっとするほど詳しく説明しています。それによると、ある被害者男性の上腕二頭筋を油で揚げて、食肉軟化剤を使い、その筋肉を食べたそうです。ダーマーによれば、それは牛肉のような味がしたそうです。

ジェフリー・ダーマーとは…

参照:Wikipedia

ジェフリー・ライオネル・ダーマーは、”ミルウォーキーの食人鬼”としても知られる、アメリカの連続殺人犯および性犯罪者であり、1978年から1991年の間に17人の男性と少年の殺人と身体切断を行いました。

1994年11月28日、矯正施設で仲間のクリストファー・スカーバーに殴打され、死亡しました。

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全エピソード一覧

1: 第一話-Episode One-

部屋から悪臭がするという隣人の苦情を適当にあしらい、近くのバーに向かったジェフ。そこで出会った男にある条件を提示し、自分の部屋に連れ帰る。

2:行かないで-Please Don’t Go-

家庭でも学校でも問題を抱えていた少年ジェフ。大人になるにつれ、その奇妙な行動は殺人へと発展する。警察から不審視されることもあったが、逮捕には至らない。

3:”ダーマーする”-Doin’ A Dahmer-

高校生の時に不仲だった両親が離婚し、ひとりで暮らすようになったジェフ。ある日、ヒッチハイカーを拾って自宅に連れ帰った彼は、衝動的な行動に出る。

4:いい子の箱-The Good Boy Box-

高校を卒業後、陸軍に入ったジェフだったが、そこでも安定した生活は得られない。やがて祖母の家に身を寄せたジェフは、ゲイバーで若い男性をあさり始める。

5:血に染まった手-Blood On Their Hands-

警察が中途半端な操作を続ける一方、おぞましい犯罪を重ねていくジェフ。ある少年との出会いにより刑務所送りとなった彼は、出所後、再び一人暮らしを始める。

6:声なき者-Silenced-

モデルになることを夢見て引っ越してきたトニーは、バーでジェフと出会う。筆談から始まった2人の関係は、やがて恐ろしい展開を迎えることになる。

7:カサンドラ-Cassandra-

著名な活動家と対面したグレンダは、ジェフの隣人として見聞きしたこと、そして警察がいかに自分のいうことに耳を貸さなかったかを訴える。

8:ライオネル-Lionel-

息子であるジェフの裁判を控え、大きな苦悩を抱える父親ライオネル。ミルウォーキー警察が保身に走る一方、被害者の家族はそれぞれ意見を述べる機会を与えられる。

9:消えない怪物-The Bogeyman-

グレンダ、そして被害者や遺族たちは、おぞましい記憶を抱えながらも前を向いて生きていこうとする。刑務所暮らしのジェフは、自分にファンがいることを知る。

10:許しの神、復讐の神-God of Forgiveness, God of Vengeance-

思わぬ名声を手にしたジェフは、ほか囚人たちから標的にされる。ジェフの両親が事件の始末をつけようとする一方、グレンダは事件の跡地に記念碑を立てるため行動を起こす。

Netflixドラマ「ダーマー」のまとめ

いかがでしたか?Netflixドラマ「ダーマー」の感想や内容のまとめでした(^^)/色々調べてわかったのですが。ジェフリ―・ダーマーを題材にした映画作品はいくつかあるものの、こうしてドラマシリーズになるのは初めてっぽかったです。(ドキュメンタリー番組や、ドラマの中の1エピソードとしてなら扱われたことがありました。)

なぜ、この時期にジェフリー・ダーマーなのかについては、ライアン・マーフィーが製作総指揮に名を連ねているアメリカの実際に起こった犯罪を題材にしたドラマシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー』をはじめとする、リアル・クライム作品が人気だからでしょうか。

アメクラのほうはまだ未消化なので何とも言えませんが、実際に起こった犯罪ストーリーは、どんなに残虐なホラー映画も決して太刀打ちできない恐ろしさを持っているのか、エンターテイメントとしての需要は否定できないでしょう。ただし、実話だけにそこには実際の被害者、家族や遺族が存在しているのも事実です。扱いはデリケートであり、それは観る側のわたしたちにも問われるものではないでしょうか。

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関西在住。ホラー映画を見たりホラーに関することで興味が出たものをマイペースに調べたりしてブログ記事にしています。いろんな映画を観るよりは好きな作品やシリーズを掘り下げるのが好きです。もっぱら在宅シネマ―で動画配信サービス&BS/CS録画で楽しんでます。
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